Sちゃん一家物語

中国のユウヒ



近頃、仕事の引継ぎが多くて、他のチームの人とも行動をともにすることが多いっす。


先日一緒にお客さんに行ったSちゃん。
彼女は香港人ではなくって、もともと中国・東北地方のひと。
でも大学は広東省の中山大學で、今は香港で両親と一緒に暮らしていて・・・
ということは知ってた。
けど、詳しく彼女のおうちの話をきくと、やっぱ私んちではありえないドラマがあるのよね〜。


Sちゃんは生まれも育ちも中国・遼寧省
でもSちゃんのお父さんは香港生まれ、お母さんは遼寧省の人。
どーやってこんな遠いところに住むお父さんとお母さんが知り合ったかというと、、、


香港生まれのお父さんのお父さん、つまりSちゃんのおじいちゃんは香港で工場を経営していたらしい。
当時の香港は、大してイケてる所でもなかった。
ということで、一家で広東省・広州に工場と居を移す。


そののち、Sちゃんのお父さんは大學を出て、遼寧省にある鉄鋼の会社の研究員として働き始める。
そこで同じように研究員として働いていたSちゃんのお母さんと知り合い、結婚したんだと。
おいおい、この家の人たち、めっちゃ頭いいですぜ・・・。


それもそうなのだ、Sちゃん自身も中国の重点大学とされてる広東省・中山大學卒。
専攻はコンピューターサイエンス。
Sちゃんの6歳下の弟さんも同じ大學、同じ専攻ということで、優秀理系一家なのだ。


私はSちゃんの一族郎党は遼寧省にいるのに、どうして遠い中山大學に進学したんだろう?
やっぱ華南地区に行きたかったからなのか・・・?
と思っていたのだが大違い。
Sちゃんのお母さん側の親戚は遼寧省に、お父さん側の親戚は広州にいるため、もともと華南地区にはご縁のある家庭だったのだ。
だからSちゃんの中国名には、「○○寧」と遼寧省の「寧」の字が入っており、弟さんには「○○粤」と「粤」の文字が入っている。


ちょっと長くなるが、このあとのSちゃん一家ストーリー。


最初はSちゃんは広州のおばあちゃんの家に行っても、広東語がさっぱりわからんかったらしい。
そのうち中山大学に進学したこともあり、聞くことはできるように。
のち大学卒業後、香港で働き始めてようやく自分で話せるようになったらしい。
もちろん現在のSちゃんの広東語は、香港人も認める「非常に正確な」レベル。


Sちゃんは、5年ほど前に大學の同級生と結婚。
だんなさんはソフトウェアの開発をしているエンジニア。
でも彼は英語を話すのが超苦手らしく、香港で就職は考えられないということで地元の深センで仕事をしている。
夫婦でたまたま買ったマンションが、深センの地下鉄の近く。
ということで、Sちゃんは週末だけ深センに帰る「週末DINKS」婚を続けている。


ウィークデイのSちゃんはというと、チュン湾でご両親と一緒に住んでいる。
Sちゃんのご両親は、中国から香港へ「移民」済み。
これは、Sちゃんのお父さんが、香港で生まれたという証明書を見つけることが出来たので、非常にすんなりコトが進んだらしい。
ちなみにSちゃんのお父さんの兄弟は、ほかに誰もその証明書が見つけられなかった。
ということで、香港にすむことは出来ないでいるらしい。
(香港への移民の条件は、たしか①結婚相手②子供③親が香港人か何か・・・)


Sちゃんは今、私の会社で理系卒の営業マンとして働いている。
弟さんは中国の大企業「Skyworth(創維集団)」のエンジニア。
最初香港で仕事を探していたらしいが、いいところが無かったらしい。
Sちゃんの同學がエンジニア部のマネージャーだったので、ご紹介で入社して、今は深センで楽しく暮らしているんだと。
「弟クンとは何語で会話してるの?」と聞くと、「あるときは普通話、あるときは広東語だよ〜」。


ちなみに、Sちゃんは漢民族ではなく少数民族
お父さんは漢民族だけど、お母さんの民族をついだらしい。
(父側の民族に必従しなくてもいいんだ?)
五十数個ある民族の中でも「すごく人数少ない民族なの〜」だって。


ドラマチック・・・。
ほんと、中国人はどの人もみんなドラマな話があってエイミ・タンばりだよな。
うちの一族じゃ考えらんねーよ。


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